アルミボディや高張力鋼板(ハイテン鋼)の修理が指定工場でなければならない理由は、特殊な専用工具や高度な溶接技術が不可欠だからです。一般的な設備で無理に修理しようとすると、素材の強度が落ちたり腐食の原因になるだけでなく、衝突時の安全性能が損なわれる恐れがあります。
アルミと鉄が直接触れると、電位差によって腐食(サビ)が発生します。専用の工具や接着剤を使用し、鉄粉の混入を防ぐ専用の隔離されたブースで作業しなければ、将来的にボディが錆びるリスクがあります。
高張力鋼板やアルミは、熱を加えると本来の強度が著しく低下します。そのため、メーカーが定める特定の専用溶接機や、高度な冷間板金技術が必要不可欠です。
近年のメルセデス・ベンツは、強度を保つために「接着剤」と「リベット」を多用する航空機のような構造(マルチマテリアルデザイン)を採用しています。これらを復元するには、メーカーの指定する工法と専用の機器がなければ不可能です。
万が一不適切な修理を行うと、最悪の場合、車の強度が低下し本来の安全性が確保できなくなる可能性があります。そのため、メーカー基準を満たした指定工場での修理が強く推奨されます。